月別アーカイブ:2020年01月
Q20. 細菌性腟炎のときにセックスをするとパートナーに感染しますか?
A. 通常は感染しません。 細菌性腟炎は、体調不良やストレスなどにより、腟の常在菌であるLactobacillusという乳酸菌が減少して腟内を酸性に保てなくなり、外から侵入した雑菌が繁殖して腟に炎症が起きた結果、おりものが増加したり、臭いがきつくなったりする状態のことを言います。原因菌の多くは大腸菌や嫌気性菌などが多く、通常これらの菌はパートナーへ感染することはなく、性感染症と決めつけることはできないとされています。細菌性腟炎のときにセックスをすると、症状が長引いて治りづらくなるので、治療中はセックスを控 ...
梅毒感染のリスク要因が明らかに!
前回の記事でも梅毒のパンデミック(流行)についてお話ししました。 本日、2019年12月22日時点の梅毒患者数の速報値が出ました! なんと、6435例で依然として高値で推移しています。ちなみに、一昨年(2018年)は、7001人でした。ここで上げ止まってくれれば良いのですが・・・。 この数値は、あくまでも医療機関を受診して梅毒とわかった患者さんの数であり、実際の梅毒患者数はもっと多いと思われます。梅毒患者の発生数が最も多いのは東京都で、次いで大阪府、愛知県、兵庫県、福岡県の順です。 「感染症法」によって梅 ...
Q19. 性病の検査はどんな検査ですか?痛いですか?
A. 尿検査と血液検査があります。 代表的な性感染症の検査項目は、淋菌・クラミジア・梅毒・HIVがあげられます。淋菌とクラミジアに関しては、男性は、昔は細い綿棒のようなものを尿道口に入れて尿道の上皮を削りとる検査のため痛みが伴いましたが、現在は初尿(尿の出始め)を調べる検査のため、1時間以上たまった尿を検査コップにご自身で採ってもらう方法なので痛くありません。女性の場合は、膣に綿棒を自己挿入しておりものを採取する方法です(医師に診察を依頼し採取する方法でもできます)。梅毒とHIVは採血による検査なので注射 ...
Q18. 梅毒とHIV感染は関係がありますか?
A. HIVと梅毒は他のSTDよりも高い確率で感染します。 HIVの感染経路は、梅毒と同様に皮膚や粘膜の細かい傷から感染します。また、症状から見ても、梅毒は皮膚や粘膜に傷を作る病気で、この傷からHIVが感染しやすくなります。性器ヘルペスも同様に皮膚や粘膜に傷を作りますので、梅毒、性器ヘルペス、HIVの3つ性感染症は関連が高く混合感染を生じやすいです。HIV感染の確率は、HIV陽性の人との性器同士の性行為で、100回~1000回に1回の確率で感染すると言われていますが、皮膚や粘膜に傷ができやすい肛門性交や道 ...
Q17. 亀頭の周囲に小さなブツブツがありますが、性病でしょうか?
A. 真珠様小丘疹の可能性があります。 真珠様小丘疹は、男性では亀頭の冠状溝付近にできる乳頭状のイボです。女性にも小陰唇から腟の入り口付近にできます。尖圭コンジローマと似ているため専門家による判断が必要です。真珠様小丘疹は、身体の正常な変化であり性感染症ではありません。よって、セックスによるパートナーへの感染の心配はありませんし治療の必要もありません。しかし、美容的な観点から治療することも可能です。