月別アーカイブ:2020年02月
Q42. 低用量ピルを生理が終わってから飲み始めましたが、避妊効果はありますか?
A. 生理後に開始した場合は、飲み始めてから7日間は避妊効果はありません。 初回の低用量ピルを生理が終わってから飲み始めた場合は、飲み始めてから7日間は避妊効果はありませんのでコンドームを併用してください。初めて低用量ピルを開始するときは、生理の1日目から服用を開始するようにしてください。連続して毎日一錠ずつ服用している場合は、生理様の出血に関わらず、毎日一錠ずつ決まった時間に服用していれば99.7%の避妊効果があります。 産婦人科医なので、このような質問はかなり多くあります。今後このコーナーは、性感染症 ...
Q41. 性病が自然に治ることはありますか?
A. 自然に治るというよりも、別の目的の治療でたまたま治ることはあります。 「過去にクラミジアの治療をしたことが無いのに、クラミジア抗体検査で(+)となりました」と相談を受けました。クラミジアの抗体検査にはクラミジアIgA抗体、クラミジアIgG抗体の検査があります。クラミジアIgAはクラミジアの活動性の指標と言われていて、感染後約2週間で(+)になります。IgG抗体は、感染後約1か月後から(+)になります。ちなみにクラミジアPCR検査はクラミジア本体を調べる検査で、検査した場所(腟、子宮頚管、尿)にクラミ ...
Q40. 「イソトレチノイン」を服用しています。たびたび腟炎になることと関係がありますか?
A. 明確な根拠はありませんが、関係があると思います。 これは、たびたび腟炎を繰り返すという患者様からの質問です。いつも飲んでいるお薬があるか聞いてみたところ、ニキビの治療薬である「イソトレチノイン」を個人輸入して服用しているとのことでした。そして、お話をよく聞いてみると、このお薬を服用してから腟炎になる頻度が高くなったとお感じになっているようです。「イソトレチノイン」は、海外では重度のニキビの治療薬として認められていますが、日本では未認証医薬品で、重大な健康被害のおそれがあるために個人輸入 ...
Q39. 腟の中をボディーソープで洗っても良いですか?
A. わざわざ奥まで指を入れて洗う必要はありません。 「おりものの様子がおかしい」という訴えの患者さんが来院しました。もちろん、おりものが増える可能性のある性感染症の検査をしましたが、結果はすべて陰性。おりものを顕微鏡で調べてみても、腟炎を起こす雑菌類もなく、とてもきれいな所見です。 結果をお伝えしながら、良くお話を聞いてみると、「おりものが多いときは、お風呂やシャワーの際にボディーソープを指につけて奥まで洗います。今朝も洗ってきました」とのこと。なるほどきれいすぎるわけだ!と納得しました。さらに、「腟の ...
Q38. 勢いで風俗店を利用しました。症状が無いけど検査した方が良いですか?
A. 検査をお勧めします。 この方は、この相談のためにクリニックを受診されました。せっかくここまで来たのだから検査をしましょうと申しました。心配だけど性感染症のクリニックになかなか来る勇気が持てない人の方が多いと思います。全く身に覚えが無ければ、検査をする必要はありませんが、風俗店を利用したのであれば、利用しなかった場合に比べて感染リスクは高まります。また症状はごく初期には自覚できないこともあります。もし陽性だったとしても、早期に発見することで早期に治療できます。感染していない可能性が高いと思っても、不安 ...
Q37. 検査でカンジダが検出されました。治療したほうが良いですか?
A. 症状が無ければ治療の必要はありません。 性感染症として分類されていることが多いカンジダですが、カンジダは常在菌(健康な身体にも存在)のため、私は性感染症に含めるべきではないと思っています。普通に家庭の生活の場にもいますし、皮膚にもいます。カンジダの保菌率は、妊婦さんで30%、妊娠していない方ても15%と言われています。本来膣にいるはずの乳酸菌が減ることで、カンジダが繁殖して不快な症状を現します。 したがって、不快な症状としてのかゆみ、酒かすのような帯下が増えて日常生活に支障をきたす場合は治療したほう ...
Q36. 昔からおりものが多いのですが、異常ですか?
A. おりものの検査をしてみましょう。 おりものは、量、色、におい、性状の変化があると異常のサインである場合があります。一番多い原因が、膣に雑菌が入り増殖することによっておこる細菌性腟炎です。次にカンジダ腟炎が多く、性感染症としてのクラミジアや淋菌性の子宮頸管炎・腟炎が原因であるのは、頻度的には多くありません。おりものに異常を感じた場合には、一般細菌、カンジダ、トリコモナス、淋菌、クラミジア、ウレアプラズマ、マイコプラズマの検査をお勧めします。 これらの検査を実施して、結果がすべて陰性だった場合は、体質的 ...
Q35. HIV感染症とエイズの違いは何ですか?
A. HIV感染によって免疫力が低下し、通常はかからないような病気にかかる状態をエイズと言います。 HIV感染症とは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)が体内の免疫細胞を壊し、細菌やウィルス、真菌に対する抵抗力が下がっていく病気です。免疫力が下がりすぎると、通常ではかからないような病気にかかり(日和見感染)、それをきっかけに死に至ります。この状態をエイズと言います(後天性免疫不全症候群)。正確には、HIVに感染している患者さんが、エイズ指標疾患(23種類の疾患)のうちの一つでもかかっていることが認められた場合 ...
死ぬ病気ではありません:HIV感染症/エイズについて
エイズ(後天性免疫不全症候群)は、1981年にアメリカで特殊な免疫不全による非日常的な感染症を発症して死に至る症候群として認識され、1983年に原因がヒト免疫不全ウィルス(HIV)と同定された歴史の浅い疾患である。 その後、治療法の進歩によって、強力な抗HIV薬を複数併用する治療でほぼ100%効果があり、一般の人とほぼ同等の生命予後を期待できるようになっている。しかし、現時点での治療は、HIV感染症を根治させるまでの効果は無く、生涯にわたって抗HIV薬の内服継続が必要になる。 <HIV感染症の診断と検査> ...
Q34. 性器ヘルペスの再発はどのくらいの頻度で起こりますか?
A. ほとんどの方が再発します。 性器ヘルペスは、ヘルペスウィルスの感染によって発症します。ヘルペスウィルスにはヘルペスウィルス1型(HSV-1)とヘルペスウィルス2型(HSV-2)があります。HSV-1もHSV-2も感染すると、性器ヘルペスを発症しますが、性器病変の再発を起こすウィルスは主にHSV-2の方だと言われています。HSV-2に感染すると、ほとんどの人がいつか再発します。再発の頻度には個人差がありますが、頻繁に再発する人は全体の35%で半分以下です。また、男性の方が女性よりも約20%再発率が高い ...
Q33. 性病の治療薬を相手にバレずに飲ませる方法はありますか?
A. 残念ながらありません。 この質問をされたときはびっくりしましたが、相手にバレることを恐れて止むを得ずの質問だと理解しました。その方は、風俗関係のお仕事をしている方でしたが、パートナーにはそのことを告げていないということでした。しかし、パートナーにも感染している可能性が高いため、どうやって薬を飲ませたら良いかということを、真剣に考えている様子でした。お薬はたいてい苦いので、周りにコーティングを施して錠剤にしていることが多く、私はそのようにして薬を飲んだことがないので想像でお話しすると、例えば錠剤を砕い ...
Q32. 性病になったことを相手に上手に伝える方法はありますか?
A. 性感染症はカップルで治すのが基本です。 これは非常によくある質問です。これから先もお付き合いしていこうと思っている方の健康を第一に思う気持ちを持ってお話しすることが一番のお勧めです。しかし、自分が性病になったことを相手にカミングアウトするのはとても勇気のいることです。そのことで過去の交友関係や浮気がバレて、気まずくなる可能性があるからです。しかし、実際には、いつうつされたのか、誰からうつされたのかまで特定することは困難です。まずは、相手に症状が無いかを聞いてみましょう。症状がある場合は、男性なら泌尿 ...