月別アーカイブ:2020年05月
Q59. 低用量ピルを服用していると、カンジダになりやすいですか?
A. 理論的には経口避妊薬の服用初期はカンジダが繁殖しやすい環境になりますが、低用量ピルでは証明されていません。 「低用量ピルを服用しているとカンジダになりやすいとインターネットで見かけましたが、本当ですか?」と患者さんから質問がありました。さっそく、その情報を確かめにネット検索をすると、なんと、あるクリニックのホームページに載っていました!書いてあることは、いかにも本当っぽく書いてあります・・・。果たして、真偽のほどは? 確かめるために文献を調べました。経口避妊薬を服用している群と、していない群での口腔 ...
Q3. 海外から取り寄せていたピルから日本製のピルに代えても問題ないか?
A. 効果については変わりありません。 現在、新型コロナウィルスのパンデミックのため、海外からの輸入品は届きにくい状況にあります。この影響で、海外から個人輸入していたピルが届かなくなり困っているとの相談をよく受けるようになりました。「今まで外国製の低用量ピルを服用していたが、今回から日本製のものに変更しても差し支えないか?」「外国製と日本製で何が違うのか?」という質問が多いです。私はピル推進派ですので、外国製であっても日本製であっても、日本の女性たちにもっと低用量ピルを使用していただきたいと思っています。 ...
Q58. 咽頭の淋菌が治療後も陽性になりますが、治っていないのでしょうか?
A. 口腔内常在菌の交差反応の可能性があります。 本当に治っていない可能性と偽陽性の可能性があります。Q50でも述べたように、口腔内には、淋菌(Neisseria gonorrhoea)と同じNeisseria(ナイセリア)属の常在菌が存在しています。咽頭淋菌や咽頭クラミジアの検査法は拡散増幅法が主流となっていますが、PCR法では同じナイセリア属の菌と反応(交差反応)して、偽陽性が出ることがあります。しかし、同じ拡散増幅法の検査であるSDA法は、この常在菌であるNeisseria属の菌との交差反応は少なく ...
Q57. クラミジアIgA(±)、クラミジアIgG(-)の意味は?
A. クラミジア感染は否定的です。 クラミジアの検査には、クラミジアPCR検査とクラミジア抗体検査の2種類があります。PCR検査は、クラミジアが採取した場所にいるかどうかを調べる検査です。抗体検査は、過去にクラミジアに感染したかどうかを調べる検査です。現在流行中の新型コロナウイルスの検査にも、PCR検査と抗体検査があるのと同じで、PCR検査は現時点での感染の有無、抗体検査は過去に感染したかの有無を調べます。 今回のご相談は、不妊治療中の女性で、治療前の検査でクラミジアIgA(±)、クラミジアIgG(-)と ...
Q56. 頻繁に性病になるのは免疫力が低いからですか?
A. 複数のパートナーや、コンドームの不使用は性感染症の感染リスクがあります。 毎回おりものの異常で来院される方からの質問です。「風邪はめったにひかないけど、性病に何度もなるのは、免疫力が低いからですか?」かなり不貞腐れての質問をされました。免疫力が低ければ性病だけでなく、風邪にもかかりやすくなります。お話を詳しく聞いていくと、複数のパートナーがいらっしゃり、誰からうつされたのか分からないとのことでした。性病の感染リスクは、複数のパートナー、コンドームの不使用などです。風邪にはかかりにくいということから、 ...
Q55. 外陰部にニキビのようなものができました、性病ですか?
A. 性病ではない可能性が高いですが、実際に診察をしてみないとわかりません。 女性の外陰部にできるできもので一番多いものは毛嚢炎です。外陰部の毛を剃ったり、抜いたりした後にできやすく、毛穴に一致して盛り上がり押すと痛みがあり、やがて先端が白くなって排膿します。顔にできるニキビに似た感じのできものです。これは性感染症ではなく、毛穴にできた細かな傷に、皮膚の表面にいる雑菌が入って炎症を起こすことで生じます。排膿すれば自然に治り、相手にうつすことはありません。 一方、外陰部にできるできもののうち性感染症が関係あ ...
Q2. ピルの連続服用で毎月生理が来なくても、悪影響はありませんか?
A. むしろ婦人科系の病気を予防する効果があります。 ピルの連続服用法とは、3か月に一度生理をおこす服用方法です。生理が毎月来るようなピルの服用方法は、周期的服用法と言います。ピルの連続服用法は、長期に卵巣を休ませることができるため、婦人科系の病気を予防する効果があります。妊娠中は約10カ月、授乳中も含めると、長い人では2年近くも生理が来なくなります。この時も自分の卵巣はお休みしている状態です。ピルの連続服用で卵巣を休ませて生理が来なくなることで、子宮も休ませることができます。子宮内膜症の原因の一つは、月 ...
Q54. マイコプラズマ、ウレアプラズマは常在菌ですか?
A. 常在菌ではありません。性感染症の原因菌です。 おりものの異常で受診した病院の医師に、「マイコプラズマ・ウレアプラズマは常在菌だから、除菌する必要はない」と言われたとのことで、真偽のほどを確かめに私のところに来院されました。このように、いまだに医師の中でも、マイコプラズマ・ウレアプラズマについて知識不足な人がいるのは非常に残念なことです。 常在菌の定義は、「多くの人に共通してみられ、病原性を示さない菌」のことです。 例えば、M.hominisとUreaplasma sppは、成人期までに健康な女性の8 ...
Q1. 「ミニピル」とは何ですか?
A. 黄体ホルモン単独の経口避妊薬です。 卵巣から分泌される女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類です。日本で処方されている低用量ピル(経口避妊薬)の成分は、この2つのホルモンが含まれています。一方欧米では、黄体ホルモン単独の経口避妊薬も存在します。日本でも、「セラゼッタ」という商品名でミニピルを扱っているクリニックがあります。避妊効果は、低用量ピルとほとんど変わらない高い避妊効果があります。ただし、注意点として、下痢や嘔吐の際は避妊効果が低下するのと、毎日決まった時刻に服用しなければならず、 ...