月別アーカイブ:2020年08月
マイコプラズマ・ウレアプラズマ性感染症について、日本語で初の教科書を書きました。
「マイコプラズマ・ウレアプラズマは常在菌ですか?」 「カンジダと同じように、体調が悪いと再発するものですか?」 「何度治療しても治らないので、ヘルペスのように一生治らない性感染症ですか?」 と、何人もの患者さんから同じような質問を受けて、 「この菌のことや、病気について、正しい知識を広めないといけない。このままだと、マイコプラズマ・ウレアプラズマにかかると、一生治らない恐ろしい病気という間違った概念が広まってしまう。」 と思いました。 そして、 「もしかしたら、治療にあたる医師も、マイコプラズマ・ウレアプ ...
Q77. 淋菌が性器に感染しました、咽頭にも感染している可能性はありますか?
A. 性器淋感染者の10~30%に咽頭からも淋菌が検出されます。 性器の淋菌をうつされた相手とオーラルセックスがあった場合は、咽頭にも淋菌が感染している可能性は濃厚だと思って良いと思います。 咽頭へ淋菌が感染しても、のどの症状は乏しいか、無症状のことが多いので、検査が実施されないことも多くあり、実数はもっと多いと考えられます。 ちなみに、オーラルセックスは、日本語で口腔性交と言いますが、売春防止法でいう「性交」の定義には当てはまらないため、処罰の対象にはなりません。そのため、不特定の相手の性器を口を使って ...
Q9. 低用量ピルの休薬期間で出血がありませんでした。どうしたらよいですか?
A. まず、妊娠していないかを調べる必要があります。 低用量ピルの服用を続けていると、偽薬の期間に消退出血がみられなくなることが、全体の1%弱あります。偽薬の期間に出血がみられなくなった場合には、服用を継続しながら、妊娠の有無について確認する必要があります。妊娠していないことが確実なら、出血がみられなくても特に問題にはなりません。
Q76. 性交時に外陰部が切れて痛い時に、ボラギノールを塗ってもいいですか?
A. 非常に答えにくい質問です・・・。基本的には、患部を安静にすることが治療です。 どうやら、これは、風俗関係のお嬢さんたちの間で広まっている応急処置の方法らしいです。 「ボラギノール」は、「痔に~は、ボラギノ~ル♪」のキャッチコピーで知られる、痔のお薬です。 風俗関係のお仕事をしていると、アソコが切れてしまう確率が高くなり、それでも仕事をしないといけないときなどに、ボラギノールを塗ると良い、という情報が広まっているけれど、大丈夫なんですか?と、これまた風俗で働いている患者さんから相談されました。 さっそ ...
Q75. 保険証を使って2週間分のお薬の治療をお願いしたら、1週間分しか出せないと断られました。なぜですか?
A. 診療報酬の審査制度で認められない可能性があるからです。 今回は、一般の方には見えない、医療保険の裏側についてお話しします。 私たちが病気やけがの治療で保険医療機関を受診したときに、窓口で保険証を見せて治療にかかった費用の一部を支払います。支払った分以外の治療費は、保険者が加入している会社の健康保険組合や、市区町村の国民保険組合に1か月分の診療行為をまとめた診療報酬明細書(レセプト)を提出して請求します。その請求を元に、診療費の残りの分が数か月後に保険医療機関に支払われるという仕組みです。わかりやすく ...