年別アーカイブ:2020年
Q37. 検査でカンジダが検出されました。治療したほうが良いですか?
A. 症状が無ければ治療の必要はありません。 性感染症として分類されていることが多いカンジダですが、カンジダは常在菌(健康な身体にも存在)のため、私は性感染症に含めるべきではないと思っています。普通に家庭の生活の場にもいますし、皮膚にもいます。カンジダの保菌率は、妊婦さんで30%、妊娠していない方ても15%と言われています。本来膣にいるはずの乳酸菌が減ることで、カンジダが繁殖して不快な症状を現します。 したがって、不快な症状としてのかゆみ、酒かすのような帯下が増えて日常生活に支障をきたす場合は治療したほう ...
Q36. 昔からおりものが多いのですが、異常ですか?
A. おりものの検査をしてみましょう。 おりものは、量、色、におい、性状の変化があると異常のサインである場合があります。一番多い原因が、膣に雑菌が入り増殖することによっておこる細菌性腟炎です。次にカンジダ腟炎が多く、性感染症としてのクラミジアや淋菌性の子宮頸管炎・腟炎が原因であるのは、頻度的には多くありません。おりものに異常を感じた場合には、一般細菌、カンジダ、トリコモナス、淋菌、クラミジア、ウレアプラズマ、マイコプラズマの検査をお勧めします。 これらの検査を実施して、結果がすべて陰性だった場合は、体質的 ...
Q35. HIV感染症とエイズの違いは何ですか?
A. HIV感染によって免疫力が低下し、通常はかからないような病気にかかる状態をエイズと言います。 HIV感染症とは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)が体内の免疫細胞を壊し、細菌やウィルス、真菌に対する抵抗力が下がっていく病気です。免疫力が下がりすぎると、通常ではかからないような病気にかかり(日和見感染)、それをきっかけに死に至ります。この状態をエイズと言います(後天性免疫不全症候群)。正確には、HIVに感染している患者さんが、エイズ指標疾患(23種類の疾患)のうちの一つでもかかっていることが認められた場合 ...
死ぬ病気ではありません:HIV感染症/エイズについて
エイズ(後天性免疫不全症候群)は、1981年にアメリカで特殊な免疫不全による非日常的な感染症を発症して死に至る症候群として認識され、1983年に原因がヒト免疫不全ウィルス(HIV)と同定された歴史の浅い疾患である。 その後、治療法の進歩によって、強力な抗HIV薬を複数併用する治療でほぼ100%効果があり、一般の人とほぼ同等の生命予後を期待できるようになっている。しかし、現時点での治療は、HIV感染症を根治させるまでの効果は無く、生涯にわたって抗HIV薬の内服継続が必要になる。 <HIV感染症の診断と検査> ...
Q34. 性器ヘルペスの再発はどのくらいの頻度で起こりますか?
A. ほとんどの方が再発します。 性器ヘルペスは、ヘルペスウィルスの感染によって発症します。ヘルペスウィルスにはヘルペスウィルス1型(HSV-1)とヘルペスウィルス2型(HSV-2)があります。HSV-1もHSV-2も感染すると、性器ヘルペスを発症しますが、性器病変の再発を起こすウィルスは主にHSV-2の方だと言われています。HSV-2に感染すると、ほとんどの人がいつか再発します。再発の頻度には個人差がありますが、頻繁に再発する人は全体の35%で半分以下です。また、男性の方が女性よりも約20%再発率が高い ...
Q33. 性病の治療薬を相手にバレずに飲ませる方法はありますか?
A. 残念ながらありません。 この質問をされたときはびっくりしましたが、相手にバレることを恐れて止むを得ずの質問だと理解しました。その方は、風俗関係のお仕事をしている方でしたが、パートナーにはそのことを告げていないということでした。しかし、パートナーにも感染している可能性が高いため、どうやって薬を飲ませたら良いかということを、真剣に考えている様子でした。お薬はたいてい苦いので、周りにコーティングを施して錠剤にしていることが多く、私はそのようにして薬を飲んだことがないので想像でお話しすると、例えば錠剤を砕い ...
Q32. 性病になったことを相手に上手に伝える方法はありますか?
A. 性感染症はカップルで治すのが基本です。 これは非常によくある質問です。これから先もお付き合いしていこうと思っている方の健康を第一に思う気持ちを持ってお話しすることが一番のお勧めです。しかし、自分が性病になったことを相手にカミングアウトするのはとても勇気のいることです。そのことで過去の交友関係や浮気がバレて、気まずくなる可能性があるからです。しかし、実際には、いつうつされたのか、誰からうつされたのかまで特定することは困難です。まずは、相手に症状が無いかを聞いてみましょう。症状がある場合は、男性なら泌尿 ...
実は一番多い質問・・・「なんで男なのに産婦人科医なんですか?」
私は今は性感染症内科医をしていますが、もともとは産婦人科医です。なぜ男性なのに産婦人科医なのか?とよく質問をされます。その答えは「男性だから」です。男性には月経がありません。恥ずかしい思いをして内診台に上がって診察されることもありません。なにより出産を経験できません。それなのに、なぜ産婦人科医になって、女性の診察ができるのか?と厳しい声を戴きます。その意見はもっともだと思っています。女性の患者さんの立場からすれば、同性に診察してもらいたいと思うのは当然ですよね。 しかし、一生涯女性になれないからこそ、女性 ...
Q31. ジスロマックは淋病にも効きますか?
A. ジスロマックは淋病に対する効果は期待できません。 ジスロマック(アジスロマイシン)はクラミジアに対する治療薬です。服用回数が1回で済むため、飲み忘れが無いので重宝されますが、体内ではゆっくりと薬剤の血中濃度が高まり、菌に対する有効血中濃度を2週間程度は維持するとされています。淋菌に対しては、いっきに薬剤の血中濃度を高めた方が効果があり、ロセフィンという抗生物質の点滴が推奨されています。
Q30.外見で性病にかかっているかどうかって分かりますか?
A. 残念ながら見た目ではわかりません。 これはクラミジアにかかった女性の患者さんからの質問でした。見た目で分かればエッチしなかったのに・・・とのことでした。この見た目とは外見という意味ですが、当然のことながら外見でその人が性病にかかっているかどうかは分からないです。ただし、性器の外見で分かるのは、性器ヘルペス、梅毒、コンジローマなどですが、性器ヘルペスも再発型だとわからないこともあります。 私の性感染症クリニックにはいろいろな患者さんが来院されます。ビジネススーツをしっかり着た方や、いかにも遊び人風情の ...
あまり知られていない性感染症「マイコプラズマ・ウレアプラズマ」について
最近、マイコプラズマ・ウレアプラズマに関する質問が多くありますので、詳しく説明します。 マイコプラズマ・ウレアプラズマとは?症状は?(男性の場合、女性の場合)検査方法と検査時期は?治療は?予防方法は? 1.マイコプラズマ・ウレアプラズマとは?性行為による尿道炎の原因は、淋菌性と非淋菌性に分類されます。さらに非淋菌性は、クラミジア性と非クラミジア性に分類されます。この非淋菌性非クラミジア性尿道炎の原因菌として、マイコプラズマ・ウレアプラズマは海外で以前より注目されていました。日本では、ようやく性感染症の仲間 ...
Q29. 結婚前に調べておいた方が良い検査は何ですか?
A. いわゆる”ブライダルチェック”という検査項目になります。 ブライダルチェックは、主に結婚や出産を望む方が受ける検査のことですが、女性に限らず、男性にも受けて欲しい検査です。ブライダルチェックには①生殖器系の検査と②妊娠や出産に影響を及ぼす病気の検査の2種類があります。 ①生殖器系の検査 <女性の場合>女性生殖臓器(腟・子宮・卵巣)の状態をみる検査で、問診や内診、超音波検査、ホルモンの採血検査です。 <男性の場合>男性生殖臓器の検査(陰茎・睾丸)の状態を見る検査で、問診や触診、精子の検査、ホルモンの採 ...
Q28. 性器ヘルペスは一度感染すると再発を繰り返しますか?
A. 寝不足、ストレス、体調不良時に再発しやすくなります。 性器ヘルペスは、ヘルペスウィルスが性器に感染することによって生じます。初めて感染すると2週間以内に初発症状を生じます。発熱や全身の倦怠感とともに、足の付け根のリンパ節が腫れて、外陰部に水疱ができ、破れると潰瘍を形成し激しい痛みを生じます。尿が潰瘍に当たると痛いので、トイレに行くのも嫌になるほどです。水疱や潰瘍のある場所にウィルスがたくさんいますので、病変が擦れると相手の皮膚や粘膜の細かい傷にウィルスが侵入し感染します。感染したウィルスは、知覚神経 ...
④加圧トレーニング編(スタイル維持のためのフィットネス)
このダイエットシリーズ、少し間が空いてしましましたが、好評のようで、頑張って書き続けたいと思います! 前回は縄跳びダイエットについてお話ししました。 重量系縄跳びによって、膝故障の危険性が切迫し、敢え無く(安全のため?)断念・・・ 根性なし&なかなかスリムになれないSTD Dr. Yoshiです。 そんなSTD Dr. Yoshiですが、頑張って体重0.1㌧ から-20kg以上減量できました! 以下に、STD Dr. Yoshiが試したダイエットを示します。 STD Dr. Yoshiが試したダイエット ...
Q27. 口にできるヘルペスが性器に感染することはありますか?
A. 感染します。 口にできるヘルペスはヒトヘルペスウィルス1型(HSV-1)で、性器にできるヘルペスはヒトヘルペスウィルス2型(HSV-2)と言われることが多かったのですが、現在はこのようにはっきりと分けられることはありません。近年、オーラルセックスによってHSV-1がパートナーの性器に感染する例が増加しています。