「マイコプラズマ・ウレアプラズマは常在菌ですか?」
「カンジダと同じように、体調が悪いと再発するものですか?」
「何度治療しても治らないので、ヘルペスのように一生治らない性感染症ですか?」
と、何人もの患者さんから同じような質問を受けて、
「この菌のことや、病気について、正しい知識を広めないといけない。このままだと、マイコプラズマ・ウレアプラズマにかかると、一生治らない恐ろしい病気という間違った概念が広まってしまう。」
と思いました。
そして、
「もしかしたら、治療にあたる医師も、マイコプラズマ・ウレアプラズマのことを、正しく理解できていないのではないか?何度抗生剤で治療しても治らないから、患者さんに、もう治療を諦めろと言っているも同然」と思い、これではいけないと思い、診療の合間や自由時間に、猛烈に調べて短期間で書き上げました!
マイコプラズマ・ウレアプラズマについて書かれている外国の文献を読み漁り、客観的な医学的根拠に基づいて書きました。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ性感染症 ~よく知られていないから、知ってほしい性感染症~
多くの方にこの本を読んでいただくために、本当は無料で提供したかったのですが、医療関係者は無料の書物を信用しないので、多少の値段をつけさせていただきました
この本には、私が性感染症のマイコプラズマ・ウレアプラズマに特別な思いをもって治療をしている理由についても書いています。
現時点での問題点は、PCR法のマイコプラズマ・ウレアプラズマ同定検査は、保険適用外のため多くの人が検査を受けられないままでいます。ということは、症状のない状態で、マイコプラズマ・ウレアプラズマを保菌している方が潜在的に多く存在している可能性が推察されます。
マイコプラズマ・ウレアプラズマによる感染は、泌尿生殖器に対して不快な症状をもたらすだけでなく、将来的に不妊症の原因にもなり、妊娠したときには、流産や早産になる確率を高めます。また、生まれてくる赤ちゃんにも命の危険や、障害を起こす可能性も示唆されています。
このような悪い影響をもたらすマイコプラズマ・ウレアプラズマは、常在菌などとは決して呼ぶことはできません。
マイコプラズマ・ウレアプラズマという、比較的新しい性感染症について、たくさんの方に知っていただくこと、そして、これからも日々の診療と研究を積み重ね、産婦人科学会、性感染症学会などの関連学会や、厚生労働省に働きかけを行い、マイコプラズマ・ウレアプラズマのPCR検査が保険適用化に向けて努力していきたいと思っています。
検査が保険適用になれば、どこでもマイコプラズマ・ウレアプラズマのPCR検査が受けられるようになります。特に、妊婦健診の初期検査にクラミジアと同じように組み込めば、多くの流産、早産で苦しむ患者さんを救うことにもなりますし、赤ちゃんの命や後遺症の心配も減らせられると思います。
このような取り組みの一つとして、性感染症としてのマイコプラズマ・ウレアプラズマの教科書を書くに至りました。
今は電子書籍ですが、紙の本としても出版する予定です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの性感染症って何だろう?と思っている方、この感染症にかかってしまい悩んでいる方、治療方法が分からない方に是非読んでいただきたいと思っています。