A. そのような記事は、全く根拠も無いことが書かれていますので、どうか注意してください。
この質問は、私がこのブログを始めようと思ったきっかけのようなものです。具体的に指摘をしてもらったURLをみると、某検査会社のホームページでした。誰が記事の監修しているのかわかりませんが、「ドクター紹介」というところに、内科医院の実在するドクターが紹介されていました。内容は、お風呂で感染するんですか?のクエスチョンに、「ウィルス以外では感染の危険性があります」と最初に書かれてあり、クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒の水中での生存の可能性について書いてありました。
確かに、そこに書かれている通り、菌は水中でしばらくは生存できるのでしょう。しかし、その水中の菌が、ヒトに感染する確率については記載はありません。そこで、私は、外国の論文を読み漁りましたが、上記の菌の水中からの感染確率について明確に記載している論文は見つけることができませんでした。したがって、お風呂で感染するんですか?の答えである「ウィルス以外では感染の危険性があります」は、全く根拠のない答えであって、ただ不安をあおっているだけです。温泉や銭湯に行ったことがある人がこの記事をみて不安に思って、この検査会社の検査を受けるように誘導しているとしか思えません。このような根拠のない記事を堂々と書いている非科学的な記事を見つけると、本当に腹立たしく思います。
英語の性感染症の教科書にも、お風呂で感染することがあるかについては、一切触れていません。その理由は、その根拠が無いからです。例えば淋菌が生きているお風呂に100人の人に浸かってもらい、何分で何人が感染したかという研究をすれば、答えは出るでしょう。そんな研究は倫理的に難しいですが、そのぐらいの結果が無いと根拠は示せません。
さらに、日本で実際に発表されたものですが、家族で温泉に行って、その後、子供が淋病になったので、温泉で淋菌が感染したという症例が報告されています。子供が淋病などの性病になった場合、医師はまず、性的虐待を疑います。その報告では、家族に虐待の形跡は無いとなっていましたが、これは、誰かが嘘をつけばわからないことです。家族以外が性的虐待をしたかもしれません。その報告の結論は、原因を喋ることのできない温泉のせいにしてしまい、一件落着となっています。では、その温泉のどこかに淋菌が存在していたかについては、全く検証がされていません。こんな非科学的な症例報告がまかり通ってはダメなんです!このたった一例の珍しい?デタラメな?症例報告があるせいで、このことが注目されてしまい、あたかも温泉で淋菌が感染するという誤解を生じ、不安をあおっているだけです。こんなことが、堂々と発表されてしまうなんて、日本の恥をさらしているようなものです。
今後も、根拠のないことを書いている記事が出てくると思いますが、そのような記事にはどうか注意してください。