A. 黄体ホルモン単独の経口避妊薬です。
卵巣から分泌される女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類です。日本で処方されている低用量ピル(経口避妊薬)の成分は、この2つのホルモンが含まれています。一方欧米では、黄体ホルモン単独の経口避妊薬も存在します。日本でも、「セラゼッタ」という商品名でミニピルを扱っているクリニックがあります。避妊効果は、低用量ピルとほとんど変わらない高い避妊効果があります。ただし、注意点として、下痢や嘔吐の際は避妊効果が低下するのと、毎日決まった時刻に服用しなければならず、服用忘れが12時間以上あると避妊効果が低下します。低用量ピルと違い、服用中は生理のような出血はありませんが、予期しないときに少量の不正出血が時々みられることがあります。また、肌荒れやニキビを治す副効果はありません。ミニピルには血栓症リスクになる卵胞ホルモンが含まれていないので、血栓症のハイリスクである35歳以上で喫煙習慣のある方、肥満の方、授乳中の方でも服用できることになります。私個人の意見としては、ミニピルは、不正出血の頻度が低用量ピルよりも多いこと、服用忘れの猶予幅が低用量ピルよりも狭いことから、若い方は低用量ピルの方をお勧めします。低用量ピルの血栓症リスクが怖いと思われている方もいらっしゃると思いますが、妊娠や手術後に比べると、低用量ピルの血栓症リスクはとても低いです。
※セラゼッタをマーベロン(低用量ピル)のジェネリックとして販売しているサイトを見つけましたが、セラゼッタとマーベロンの成分は違います。誤っていますのでご注意ください!