A. 点滴してもすぐには治りません。
これも良くある質問です。淋病に対しては、セフトリアキソンナトリウムという抗生剤の点滴の1回投与が日本性感染症学会で推奨されている治療です。この治療は1回の点滴で完了するので特効薬のように思われている方が多いのですが、そうではありません。抗生剤は徐々に効いて、平均3日ほどして活動している淋菌の数が減少して症状が軽快していきます。症状が消失しても完全に治ったわけではなく、その時点ではまだ少量の淋菌が体内に残っていると考えられています。セフトリアキソンナトリウムの点滴治療は100%に近い有効性がありますが、日本性感染症学会では、点滴治療してから7日間以降で再検査を行い、淋菌が完全にいなくなったことを確認することを推奨しています。その理由は、2009年にセフトリアキソンナトリウムに耐性の淋菌が世界で初めて日本で報告されたことにより、万がいち、耐性菌だった場合は治療が失敗してしまい、そのまま放置すると不妊症や子宮外妊娠の原因になるからです。性行為の再開は、淋菌が完全にいなくなったのを確認してからにしてください。