A. 再発抑制療法は2種類あります。
①ヘルペスの前兆を感じたら早めに服用する方法です。再発頻度が1年に3回以上で、再発の初期症状(ピリピリ・ムズムズなどの前駆症状)を正確に判断できる方が保険適応です。
治療方法は、ファムシクロビル(ファムビル®)を初期症状発現後すぐ(6時間以内)に4錠服用(1回目)し、1回目の服用から12時間後に4錠服用(2回目)で完結します。この治療の特徴は、再発の早い段階のときに患者さんの自己判断で2回内服するだけで治療できる点です。この治療により、病変部位が治癒するまでの期間、ウィルスが消失するまでの期間、完全痂疲化までの期間が早まります。
②再発抑制療法:再発頻度が年6回以上の方が保険適応です。
治療方法は、バラシクロビル(バルトレックス®)500mg 1日1錠ずつを毎日1年間服用する方法です。1年間服用した後、休薬します。この治療法で、60~70%の患者さんでは再発を回避でき、40%の患者さんは1年間に一度も再発しなかったという報告があります。しかし、もともと年10回以上再発していた方は、抑制療法中でも再発することがありますが、症状は軽度で済みます。
再発の回数は、あくまでも保険適応の判断材料です。自費診療では、再発頻度とは無関係に処方できます。また、抗ヘルペス薬は、長期間服用による副作用や耐性化はほとんど無く安全です。