A. 咽頭クラミジア、咽頭淋病、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、ヘルペス、梅毒、HIVが考えられます。
性行為の多様化によって、オーラルセックス(フェラチオ、クンニリングスなど)で性感染症の原因になる菌やウィルスが、咽頭や、扁桃腺に感染することがあります。しかし、それが風邪の流行時期であれば、溶連菌やインフルエンザウィルスなどの風邪による上気道炎、扁桃炎ということも考えられます。
ただし、「性行為の後から」ということを考えると、性行為によってうつった咽頭の性感染症の可能性も考えられます。
一般的に、淋菌は症状が強く出ることが多く、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマの時は症状が軽い傾向があります。
私は診察で必ず症状の確認をするようにしていますが、そこでの印象は、
淋菌の場合は、「のどが痛い」、「痰が出る」、「飲み込むときに違和感がある」などの症状が多いです。
クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマの場合は、「咽頭の違和感」、「痒み」などの症状が多く、
ヘルペスの場合は、口内炎と似たような染みるような痛みを生じます。
梅毒は、患部の見た目が派手な印象ですが、違和感程度で痛みがほとんどないのが特徴です。
HIVの場合は、オーラルセックスによってうつるリスクは低いですが、症状がある場合は、発熱やリンパ節の腫れとともに、のどの痛みがあり、身体に皮疹が生じていることが多いです。
これは、私の診察でのおおまかな印象ですので、必ずこういう症状になるというものではありません。もちろん無症状の方もいます。のどの症状に関しては、人それぞれ多彩に表現をされるので、症状だけを聞いて何の種類の感染症なのかを判断するのはなかなか難しいというのが本音です。