A. お薬服用前、あるいは、服用後のどちらかで検査を受けることをお勧めします。
「彼女がクラミジアにかかったことが判明したので、今は症状がないけど治療したい」という青年がいらっしゃいました。
私は、念のため検査を勧めました。
しかし、この青年は、「症状が無いから検査はしなくていい、心配だから予防的に治療薬を服用したい」と言っています。
心配なのは良くわかりますので、この青年の言う通り、検査を受けずに治療薬だけを処方することは可能です。
でも、私が検査を勧める理由は、
①クラミジアが陰性の結果なら、クラミジアが幸運にも彼女からうつっていなかった、ということがわかる。
②クラミジアが陽性の結果なら、処方したお薬によって治癒する可能性がある。
からです。
①の場合は、クラミジアが陰性の結果になるので、結果的に今回はお薬を服用しなくても良かったということになりますが、もともとうつっていなかったのなら、心配に思うこともなくなります。
②の場合は、クラミジアの治療薬であるアジスロマイシンを服用すれば、95%以上の方は治癒します。しかし、アジスロマイシンでも治癒しない耐性クラミジアの場合は治りませんので、あとで尿道炎などの症状が出てくる可能性があります。その場合、最初に検査しておくことで、次の治療薬を考える際にとても参考になりますし、最初に検査をしなかったのであれば、お薬の内服後、10日~2週間経ってからの検査を勧めます。
特に、クラミジアは症状が乏しく、保菌していても無症状の方も多くいらっしゃいます。
さらに、「彼女からクラミジアをうつされた」というだけでなく、もともと菌を持っていたのは、彼女ではなく自分である可能性も否定できません。この場合は、セックスパートナーが彼女以外にもいれば、別の人にもクラミジアを感染させ、性感染症を蔓延させてしまう可能性があります。
保険診療の場合は、症状が無ければ検査も治療もできませんが、自由診療の場合は、症状が無くても検査ができますし、そのうえで予防としてお薬を処方することもできます。
お薬の服用前と服用後に検査を受けるのが一番良いのですが、最初に検査を受けずにお薬を服用する場合は、お薬服用後に検査を受けることをお勧めします。