A. ビタミンCとビタミンB12は摂取した方が良いですが、高濃度ビタミンCは気を付けた方が良いでしょう。
ビタミンC(アスコルビン酸)は、抗酸化作用による美白効果やコラーゲンの生成と維持の作用があることから、美容系のサプリメントとして利用されることが多いです。このように美意識の高い女性の中には、ピルの服用中に、ビタミンCの摂取を心がけていらっしゃる方も多いと思われます。
さて、ビタミンCとピルとの関係については、いくつかの論文があります。
「ピルを服用している人は、ピルを服用していない人に比べて、ビタミンCとビタミンB12が低下する」という論文があります(Briggs M et al. Changes in Biochemical Indices of Vitamin Nutrition in Women Using Oral Contraceptives During Treatment With ”Surbex500”. Curr Med Res Opin. 1974-1975;2(10):626-30.)。この論文によると、ビタミンCとビタミンB12の摂取は心がけた方が良いと考えます。
しかし、美肌効果をいっそう高めたいときに使われる高濃度ビタミンC(1000㎎以上)は、併用するとピルのエストロゲン作用を増強させると報告されています(Briggs MH. Megadose vitamin C and metabolic effects of the pill. Br Med J(Clin Res Ed). 1981 Dec5;283(6305):1547.)。
エストロゲン作用が強まるので避妊効果には影響しませんが、血栓などの副作用はどうでしょうか?
上記の論文には、副作用も一緒に強まるという根拠は書かれていませんが、理論的には副作用も増強される可能性があるので注意した方が良いと記載されています。
ビタミンCは、必要な分だけ吸収され、過剰に摂取した分は速やかに身体から排出される水溶性ビタミンに属しますので、あまり神経質になる必要はありません。マルチビタミンなどのサプリメントとしてビタミンCを摂取することについては全く問題はありません。
高濃度ビタミンCは、単独で使えば美肌には効果がありますが、このように、他の薬剤と併用すると、その薬剤の効果に影響を及ぼすことがあることは知っておいた方が良いでしょう。