最近、マイコプラズマ・ウレアプラズマに関する質問が多くありますので、詳しく説明します。
- マイコプラズマ・ウレアプラズマとは?
- 症状は?(男性の場合、女性の場合)
- 検査方法と検査時期は?
- 治療は?
- 予防方法は?
1.マイコプラズマ・ウレアプラズマとは?性行為による尿道炎の原因は、淋菌性と非淋菌性に分類されます。さらに非淋菌性は、クラミジア性と非クラミジア性に分類されます。この非淋菌性非クラミジア性尿道炎の原因菌として、マイコプラズマ・ウレアプラズマは海外で以前より注目されていました。日本では、ようやく性感染症の仲間として認知されるようになり、2012年から検査ができるようになりました。
性行為によって感染するマイコプラズマの原因菌は、Mycoplasma genitaliumとMycoplasma hominisの2種類があります。咳やくしゃみで感染するマイコプラズマ肺炎の病原菌であるMycoplasma pneumoinae は、性感染症のマイコプラズマとは別物です。性行為によって感染するウレアプラズマは、Ureaplasma urealyticumとUreaplasma parvumの2種類があります。
現在、検査で調べられるのは、Mycoplasma genitalium、Mycoplasma hominis Ureaplasma urealyticum Ureaplasma parvumの4種類です。
2.症状は?(男性の場合、女性の場合)
オーラルセックスにより咽頭へ感染することもあります。咽頭の症状は、のどの違和感を生じることもありますが、一般的には症状はあまりありません。
(性器の症状)
①Mycoplasma genitalium
<男性>尿道炎症状、排尿時痛、尿道分泌物の排出など。
<女性>性交時痛、性交時出血、帯下増量、臭いなど。
②Mycoplasma hominis
女性、男性ともに保菌している場合があるが、健康な状態であれば病原性は抑えられている。時に、流産や早産の原因になったり、出産時に感染すると赤ちゃんに熱が出たりする。不妊症や骨盤腹膜炎、子宮外妊娠の原因になることもある。
③Ureaplasma urealyticum、Ureaplasma prvum
<男性>尿道炎の症状、排尿時痛、尿道分泌物の排出など。
<女性>排尿時痛、腹痛、帯下増量、帯下臭、尿道口の腫れ、尿道分泌物の増加など。妊娠出産時に感染すると、早産、流産の原因や低出生体重児、赤ちゃんの肺炎や敗血症によって重篤な障害が残ることもある。
3.検査方法と検査時期は?
男性:尿検査、うがいの検査
女性:腟分泌物(綿棒採取)、うがいの検査
不安行為から24時間以上経過にて検査可能。生理中は検査感度が低下するため、生理終了後が良いです。
4.治療は?
Mycoplasma genitalium:ドキシサイクリン200㎎7日間、アジスロマイシン1000㎎1日間、レボフロキサシン500㎎7日間
Mycoplasma hominis:ドキシサイクリン200㎎7日間、クリンダマイシン600㎎7日間(1日4回)
Ureaplasma urealyticum:ドキシサイクリン200㎎7日間、アジスロマイシン1000㎎1日間、モキシフロキサシン400㎎7日間
Ureaplasma prvum:ドキシサイクリン200㎎7日間、アジスロマイシン1000㎎1日間、モキシフロキサシン400㎎7日間
以上のようにドキシサイクリン(ビブラマイシン®)が第一選択薬ですが、テトラサイクリン系アレルギーの方は、アジスロマイシンあるいは、クリンダマイシンの処方になります。
5.予防方法は?
性的接触が不特定多数の方はウレアプラズマ、マイコプラズマの感染リスクが高いとの報告があります。また、性行為の際はコンドームの着用をすることで感染リスクを大幅に低下させることができます。ウレアプラズマ、マイコプラズマは症状が無いことも多いので、パートナーが代わったときなど、定期的な検査をお勧めします。