Q26. 男性がトリコモナスに感染した場合どのような症状がありますか?
A. 男性は一般的には無症状なことが多いです。 無症状であっても、尿道分泌物や尿検査による炎症像が、感染していない人に比べたら多いと言われています。トリコモナスは原虫(寄生虫)の感染で、尿道に感染しただけであれば排尿によって洗い流される可能性があります。トリコモナスは、本来、前立腺や精嚢などに棲息しており、そこから尿道にトリコモナス原虫が出てくることで尿道炎の症状が現れます。 トリコモナス原虫
Q25. 淋病は点滴を1回すれば治ると聞きましたが、点滴したその日にすぐ治りますか?
A. 点滴してもすぐには治りません。 これも良くある質問です。淋病に対しては、セフトリアキソンナトリウムという抗生剤の点滴の1回投与が日本性感染症学会で推奨されている治療です。この治療は1回の点滴で完了するので特効薬のように思われている方が多いのですが、そうではありません。抗生剤は徐々に効いて、平均3日ほどして活動している淋菌の数が減少して症状が軽快していきます。症状が消失しても完全に治ったわけではなく、その時点ではまだ少量の淋菌が体内に残っていると考えられています。セフトリアキソンナトリウムの点滴治療は ...
Q24. 睾丸が痛いです。性感染症でしょうか?
A. 性感染症でも痛くなりますが、他の原因の可能性もあります。 クラミジアや淋菌などが尿道から精管を上行し、精巣の上部にある精巣上体に到達して炎症が起きたものを精巣上体炎と言います。この場合は急激に痛みの症状が現れ、片側の陰嚢内容の腫脹と痛みがあり、時に発熱を伴います。 (画像診断まとめサイトより引用) 睾丸の痛くなる他の病気は、精索捻転、ムンプス精巣炎、精巣上体結核、精索静脈瘤があります。睾丸が痛くなる病気の鑑別点を下記に示します。 急性精巣上体炎 精索捻転 ムンプス精巣炎 精巣上体結核 精索静脈瘤 ...
Q23. 尿道の違和感がある場合、どのような検査をしたら良いですか?
A. クラミジア、淋菌、ウレアプラズマ、マイコプラズマの検査をお勧めします。 排尿時の違和感は、尿道に炎症があるときに生じる症状です。尿道炎は淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎とに分けられます。非淋菌性尿道炎は男性尿道炎の全体の70%を占めます。そのうち、クラミジアが検出されるのは30~40%に過ぎません。非クラミジア性尿道炎の原因菌にウレアプラズマやマイコプラズマ、ヘルペスウィルス、アデノウィルス、口腔内の雑菌などがあります。淋菌性尿道炎の方が症状が強く、非淋菌性尿道炎の症状は軽度で、クラミジア性と非クラミジ ...
Q22. 尖圭コンジローマの人と性行為があり、感染が心配です。
A. 尖圭コンジローマの人との性行為により、3人に2人の割合でHPVが感染すると言われています。 尖圭コンジローマは、HPVというウィルスがパートナーに感染すると生じます。尖圭コンジローマと診断がついた人との性行為により、そのパートナーの3人に2人の割合でHPVを感染させてしまうという報告もあります。ウィルスの感染から3週間~8か月(平均2.8か月)でイボが生じると言われていますが、HPVに感染しても尖圭コンジローマになる人の割合は3%程度と言われており、ほとんどの方はHPVに感染しても自己の免疫力で排除 ...
Q21. ウレアプラズマ、マイコプラズマは性感染症ですか?
A. 性行為によって感染するため性感染症です。 日本ではあまり馴染みが薄いですが、諸外国では性感染症(STI)として認知されています。性行為によってパートナーに感染します。症状は乏しいですが、膀胱炎や尿道炎のような排尿時の違和感を感じる方もいらっしゃいます。通常の膀胱炎の治療では治りにくく、膀胱炎を繰り返す場合の原因菌であることも多いです。また、不妊症や流産・早産の原因の一つとしても考えられています。
Q20. 細菌性腟炎のときにセックスをするとパートナーに感染しますか?
A. 通常は感染しません。 細菌性腟炎は、体調不良やストレスなどにより、腟の常在菌であるLactobacillusという乳酸菌が減少して腟内を酸性に保てなくなり、外から侵入した雑菌が繁殖して腟に炎症が起きた結果、おりものが増加したり、臭いがきつくなったりする状態のことを言います。原因菌の多くは大腸菌や嫌気性菌などが多く、通常これらの菌はパートナーへ感染することはなく、性感染症と決めつけることはできないとされています。細菌性腟炎のときにセックスをすると、症状が長引いて治りづらくなるので、治療中はセックスを控 ...
梅毒感染のリスク要因が明らかに!
前回の記事でも梅毒のパンデミック(流行)についてお話ししました。 本日、2019年12月22日時点の梅毒患者数の速報値が出ました! なんと、6435例で依然として高値で推移しています。ちなみに、一昨年(2018年)は、7001人でした。ここで上げ止まってくれれば良いのですが・・・。 この数値は、あくまでも医療機関を受診して梅毒とわかった患者さんの数であり、実際の梅毒患者数はもっと多いと思われます。梅毒患者の発生数が最も多いのは東京都で、次いで大阪府、愛知県、兵庫県、福岡県の順です。 「感染症法」によって梅 ...
Q13. 性感染症が完治する前に性行為をして良いですか?
A. 相手に感染させる恐れのある性行為はしてはいけません。 性行為は常に性感染症のリスクが伴いますので、不運にして性感染症に感染してしまうことはあるかもしれません。しかし、ヒトに伝染させる性感染症にかかっていることを知りながら、完治する前に相手に感染させる行為をしたときには、傷害罪として訴えられるケースもあります。「性病予防法」の第二十八条には、「伝染の虞(おそれ)のある性病にかかつている者が、性交、授乳その他の病毒を感染させる虞が著しい行為をしたときは、これを一年以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する」 ...
Q11. パートナーと私、性病の原因はどっち?
A. 原因を特定するのは難しいです。 日常診療において、このような質問に遭遇することはよくあることです。「彼氏が病院に行ったら性病が判明して、お前が原因だから病院に行けと言われた」、「私は浮気していないのに、彼氏から性病の原因だと言われて悔しい」と切実に訴えられ、「彼氏と私のどちらが原因かわかりますか?」と質問されることも多いです。悔しい気持ちはわかりますが、浮気をしたかどうかなどは当事者にしかわからないことですし、性感染症の検査では、どちらが先に原因の菌を持っていたのかまではわかりません。まずは、検査を ...
Q 9. 性病治療後の再検査は受ける必要がありますか?
A. 受ける必要があります。 性感染症が判明し、治療実施後の再検査は受ける必要があります。症状が無くなった時点で治ったと思われる方が多いのですが、それは活動している菌の量が減っただけで、治っていません。再検査を受ける目安は、クラミジア・淋菌感染症ともに治療開始から2週間以降が適しています。性感染症になってしまった場合は、きちんと治療を受け、治癒の確認まですることをお勧めします。
Q 5. なぜ、クラミジアが不妊症の原因になる?
A. クラミジアは免疫が成立しにくいからです。 クラミジアは免疫が成立しにくい細菌のため、炎症反応が軽微で、痛みや熱などの症状が生じにくく、気づかないうちに進行します。女性は腟→子宮→卵管→腹腔内とつながっており、男性は尿道→前立腺→精嚢→精管→精巣上体→精巣につながっているために、治療が遅れると奥の方へ進行し、卵子の通り道である卵管や、精子の通り道である精管に炎症を起こし、管が閉塞するためです。
Q 4. 淋病治療後の症状消失~完治までの期間は?
A. 治療後、症状消失まで3~4日、完治までは10日~2週間程度 一般的に、淋病の診断後、治療はロセフィン®の点滴投与を1回実施します。治療後、3~4日で症状の消失を実感し、完全に淋菌が体外に排泄されるまでに10日~2週間程度はかかります。したがって、再検査は10日以降を勧めます。しかしながら、症状が消失しない場合、再検査で陽性の場合は、ロセフィン耐性淋菌の可能性があります。最近、この薬剤耐性淋菌が問題になっていますので、その場合は、違う抗菌薬の追加投与が必要になります。
Q 3. 性感染症の潜伏期間を知りたい。
A. 菌やウィルスの種類により潜伏期間が異なります。 潜伏期間とは、病原体に感染してから身体に症状が出るまでの期間のことです。ここでは代表的な性感染症について示します。 クラミジア:3日間淋病:3日間ヘルペス:2~10日間梅毒:1か月トリコモナス感染症:3日~3週間カンジダ:2~7日間尖圭コンジローマ:3週間~8か月 潜伏期間に幅があるのは、その時の体調(免疫状態)により症状が早く出たり、遅く出たりするためです。
日本でいま一番流行っている性感染症は?
こんにちは! STD Dr, Yoshiです。 STDはSexual Transmitted Diseaseの略で、性感染症という意味です。 急に寒くなってきましたね・・・ 体調を崩さぬように夜は温かくして、睡眠をよく取るようにしてくださいね。 本日の記事は、日本でいま一番流行っている性感染症は何かについてです。 目次 1. 日本における性感染症の現状 現在で最も多い性感染症は? 2. 過去20年間における性感染症の推移 増加傾向にある性感染症は? 減少傾向にある性感染症は? 3. 今後の日本における性 ...