Q65. 不妊症と関係のある性感染症は?
A. 骨盤内炎症疾患(PID)は不妊症や異所性妊娠等の深刻な後遺症を起こします。 「妊活を頑張ってますが、なかなか妊娠しません。何らかの病気になっているんじゃないかと不安です」という既婚の女性からのご相談です。そして、症状を尋ねると、「ジャンプすると下腹部が痛い」と教えてくださいました。 これを聞いて、骨盤内炎症疾患(PID)の可能性があると考えました。 不妊症の原因となる骨盤内炎症性疾患(PID)の原因菌は、性感染症に限らず、性感染症以外の一般細菌でも起こりえます。(もちろん、卵巣腫瘍の捻転・破裂、異所 ...
Q44. 淋菌とクラミジア同時感染の割合は?
A. 淋菌とクラミジアの同時感染は40%程度あると言われています。 淋菌とクラミジアが同時感染した場合、男性は排尿時痛とあまり粘り気の無い膿が出ます。女性の場合は臭いとおりものの量が増え、時に腹痛がありますが、症状だけでは判断できないので、淋菌とクラミジアの両方の検査をすることをお勧めします。同時感染の場合、淋菌の方が症状が強く進行が速いので、結果が判明するまでは、まず淋病の治療(点滴)を優先し、次にクラミジアの治療(内服)をするのが良いとされています。
Q43. 淋病の人とセックスしたら絶対うつりますか?
A. 1回の性行為による感染率は30%です。 淋病の人との性行為で、1回あたり30%の感染率です。確率的に同じ人と2回性行為があると50%、5回性行為があると85%、10回性行為があると98%淋病になる確率です。したがって、相手が同じでも、一晩で2回、3回と何度も性行為があった場合は淋病になる可能性は高まります。
Q38. 勢いで風俗店を利用しました。症状が無いけど検査した方が良いですか?
A. 検査をお勧めします。 この方は、この相談のためにクリニックを受診されました。せっかくここまで来たのだから検査をしましょうと申しました。心配だけど性感染症のクリニックになかなか来る勇気が持てない人の方が多いと思います。全く身に覚えが無ければ、検査をする必要はありませんが、風俗店を利用したのであれば、利用しなかった場合に比べて感染リスクは高まります。また症状はごく初期には自覚できないこともあります。もし陽性だったとしても、早期に発見することで早期に治療できます。感染していない可能性が高いと思っても、不安 ...
Q36. 昔からおりものが多いのですが、異常ですか?
A. おりものの検査をしてみましょう。 おりものは、量、色、におい、性状の変化があると異常のサインである場合があります。一番多い原因が、膣に雑菌が入り増殖することによっておこる細菌性腟炎です。次にカンジダ腟炎が多く、性感染症としてのクラミジアや淋菌性の子宮頸管炎・腟炎が原因であるのは、頻度的には多くありません。おりものに異常を感じた場合には、一般細菌、カンジダ、トリコモナス、淋菌、クラミジア、ウレアプラズマ、マイコプラズマの検査をお勧めします。 これらの検査を実施して、結果がすべて陰性だった場合は、体質的 ...
Q33. 性病の治療薬を相手にバレずに飲ませる方法はありますか?
A. 残念ながらありません。 この質問をされたときはびっくりしましたが、相手にバレることを恐れて止むを得ずの質問だと理解しました。その方は、風俗関係のお仕事をしている方でしたが、パートナーにはそのことを告げていないということでした。しかし、パートナーにも感染している可能性が高いため、どうやって薬を飲ませたら良いかということを、真剣に考えている様子でした。お薬はたいてい苦いので、周りにコーティングを施して錠剤にしていることが多く、私はそのようにして薬を飲んだことがないので想像でお話しすると、例えば錠剤を砕い ...
Q31. ジスロマックは淋病にも効きますか?
A. ジスロマックは淋病に対する効果は期待できません。 ジスロマック(アジスロマイシン)はクラミジアに対する治療薬です。服用回数が1回で済むため、飲み忘れが無いので重宝されますが、体内ではゆっくりと薬剤の血中濃度が高まり、菌に対する有効血中濃度を2週間程度は維持するとされています。淋菌に対しては、いっきに薬剤の血中濃度を高めた方が効果があり、ロセフィンという抗生物質の点滴が推奨されています。
Q25. 淋病は点滴を1回すれば治ると聞きましたが、点滴したその日にすぐ治りますか?
A. 点滴してもすぐには治りません。 これも良くある質問です。淋病に対しては、セフトリアキソンナトリウムという抗生剤の点滴の1回投与が日本性感染症学会で推奨されている治療です。この治療は1回の点滴で完了するので特効薬のように思われている方が多いのですが、そうではありません。抗生剤は徐々に効いて、平均3日ほどして活動している淋菌の数が減少して症状が軽快していきます。症状が消失しても完全に治ったわけではなく、その時点ではまだ少量の淋菌が体内に残っていると考えられています。セフトリアキソンナトリウムの点滴治療は ...
Q16. 性器に性感染症の菌がいると口腔内にもいる可能性がある?
A. 性器と口腔内の同時感染は起こります。 性器に淋菌をもっている人の10~30%、性器にクラミジアを持っている人の10~20%に口腔内にもこれらの菌が認められると報告されています。 性器にいる菌が口腔内に広がるということではなく、 性行為の際に、性器同士の接触とオーラルセックスを同時に行うとなる可能性があります。特に、このような性行為は若い世代で7割以上で行われていると言われています。オーラルセックスの際にコンドームを使用するのは2割程度という調査結果があります。
Q15. コンドームを使用したオーラルセックスで感染を防げる病気は?
A. 淋病・クラミジア・ウレアプラズマ・マイコプラズマは予防できる可能性があります。 最初からコンドームを装着すれば、淋病・クラミジア・ウレアプラズマ・マイコプラズマは予防できる可能性があります。ヘルペスと梅毒は皮膚同士や粘膜同士の接触でも感染しますので、コンドームをしていても安全とは言えません。
Q14. オーラルセックスで感染する可能性のある性感染症は?
A. 淋病・クラミジア・梅毒・ヘルペス・ウレアプラズマ・マイコプラズマです。 代表的なものを列挙しました。オーラルセックス(口腔性交)とは、相手の性器を舐めたり舌を使って愛撫をしたりすることです(書いていて恥ずかしくなりますが・・・)。 オーラルセックスで問題なのは、「性器にいる病原体がオーラルセックスにより口腔内に感染する」ことと、「口腔内にいる病原体が性器に感染する」という2つの経路があるということです。 実際に、性行為の多様化、デリバリーヘルスなどの性産業の利用増加により、咽頭への感染が増加していま ...
Q 4. 淋病治療後の症状消失~完治までの期間は?
A. 治療後、症状消失まで3~4日、完治までは10日~2週間程度 一般的に、淋病の診断後、治療はロセフィン®の点滴投与を1回実施します。治療後、3~4日で症状の消失を実感し、完全に淋菌が体外に排泄されるまでに10日~2週間程度はかかります。したがって、再検査は10日以降を勧めます。しかしながら、症状が消失しない場合、再検査で陽性の場合は、ロセフィン耐性淋菌の可能性があります。最近、この薬剤耐性淋菌が問題になっていますので、その場合は、違う抗菌薬の追加投与が必要になります。
Q 3. 性感染症の潜伏期間を知りたい。
A. 菌やウィルスの種類により潜伏期間が異なります。 潜伏期間とは、病原体に感染してから身体に症状が出るまでの期間のことです。ここでは代表的な性感染症について示します。 クラミジア:3日間淋病:3日間ヘルペス:2~10日間梅毒:1か月トリコモナス感染症:3日~3週間カンジダ:2~7日間尖圭コンジローマ:3週間~8か月 潜伏期間に幅があるのは、その時の体調(免疫状態)により症状が早く出たり、遅く出たりするためです。