Q9. 低用量ピルの休薬期間で出血がありませんでした。どうしたらよいですか?
A. まず、妊娠していないかを調べる必要があります。 低用量ピルの服用を続けていると、偽薬の期間に消退出血がみられなくなることが、全体の1%弱あります。偽薬の期間に出血がみられなくなった場合には、服用を継続しながら、妊娠の有無について確認する必要があります。妊娠していないことが確実なら、出血がみられなくても特に問題にはなりません。
Q8. 不正出血があるので、ピルを飲んだら治りますか?
A. 不正出血の原因を調べるのが先です。 「5カ月前までピルを飲んでいて、止めてから順調に月1で生理が来ていたけど、今月だけ生理以外の不正出血があるから、またピルを再開したい」と、ギャル風のお嬢さんが来院されました。 私は、「ピルを再開する前に、不正出血の原因を調べましょう」と伝えましたが、これが少し気に障ったのか、ムスッとされてしまいました。 不正出血の原因は、卵巣の機能不全以外にも、性感染症、子宮頸がんの初期、子宮頸部のびらん面からの出血など、いくつかあります。 特に、子宮頸がんは、初期の症状である「 ...
Q7. ビタミンCとピルは併用しても良いですか?
A. ビタミンCとビタミンB12は摂取した方が良いですが、高濃度ビタミンCは気を付けた方が良いでしょう。 ビタミンC(アスコルビン酸)は、抗酸化作用による美白効果やコラーゲンの生成と維持の作用があることから、美容系のサプリメントとして利用されることが多いです。このように美意識の高い女性の中には、ピルの服用中に、ビタミンCの摂取を心がけていらっしゃる方も多いと思われます。 さて、ビタミンCとピルとの関係については、いくつかの論文があります。 「ピルを服用している人は、ピルを服用していない人に比べて、ビタミン ...
Q6. すり抜け排卵って何ですか?
A. ピルの効果が減弱し、卵巣機能が再開して排卵することを言うようです。 「すり抜け排卵」という言葉は医学用語ではありません。インターネット造語と言った方が良いかもしれません。いろいろ調べていると、インターネットでは「ピル服用者の飲み忘れや抗生剤の併用による予期しない排卵=すり抜け排卵」と呼ぶようです。ピルのFAQのQ5で述べたように、抗生剤の併用によってピルの効果は減弱しないことがガイドラインにもちゃんと記載されています。ピルの服用忘れ以外にピルの効果が減弱する原因は、下痢による吸収障害、嘔吐によってピ ...
Q5. 低用量ピルと抗生剤や鎮痛剤を併用しても大丈夫ですか?
A. ほとんどの抗生剤や鎮痛剤を併用しても大丈夫です。 ただし、リファンピシンという結核の治療薬とHIV治療薬の一部は、ピルの効果を減弱することが分かっています。これらのお薬は結核やHIVにならなければ処方されないので気にしなくて大丈夫です。風邪や性感染症の治療で処方される抗生剤は、ピルの効果に影響を及ぼしませんので併用可能です。 鎮痛薬のアセトアミノフェン(カロナールなど)は、ピルの効果を増強し、反対にアセトアミノフェンの効果を減弱させる可能性がありますが併用可能です。その他の非ステロイド系鎮痛薬(ロキ ...
Q62. ピルを服用していると性感染症になりやすいですか?
A. クラミジア頸管炎のリスクを高める可能性があります。 ピル自体に性感染症やHIVを予防する効果はありません。不特定多数との性行為や性風俗業のハイリスク女性においては、ピルの服用がクラミジア頸管炎のリスクを高める可能性があると示唆されています。一方で、HIVを含めたその他の性感染症リスクの増加とピル服用との間には関連は無いと報告されています。性感染症の感染リスクを回避するにはコンドームの使用が有効ですので、不特定多数のパートナーおよびコンドームを使用しない性行為の習慣がある方は、定期的な性感染症検査をす ...
Q59. 低用量ピルを服用していると、カンジダになりやすいですか?
A. 理論的には経口避妊薬の服用初期はカンジダが繁殖しやすい環境になりますが、低用量ピルでは証明されていません。 「低用量ピルを服用しているとカンジダになりやすいとインターネットで見かけましたが、本当ですか?」と患者さんから質問がありました。さっそく、その情報を確かめにネット検索をすると、なんと、あるクリニックのホームページに載っていました!書いてあることは、いかにも本当っぽく書いてあります・・・。果たして、真偽のほどは? 確かめるために文献を調べました。経口避妊薬を服用している群と、していない群での口腔 ...
Q1. 「ミニピル」とは何ですか?
A. 黄体ホルモン単独の経口避妊薬です。 卵巣から分泌される女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類です。日本で処方されている低用量ピル(経口避妊薬)の成分は、この2つのホルモンが含まれています。一方欧米では、黄体ホルモン単独の経口避妊薬も存在します。日本でも、「セラゼッタ」という商品名でミニピルを扱っているクリニックがあります。避妊効果は、低用量ピルとほとんど変わらない高い避妊効果があります。ただし、注意点として、下痢や嘔吐の際は避妊効果が低下するのと、毎日決まった時刻に服用しなければならず、 ...